※最初はハチクマで3:18からツキノワグマ。
定点カメラが捉えたスズメバチの巣を交互に食べるハチクマとツキノワグマの姿。どちらもスズメバチの天敵ですが、ハチクマは硬い羽毛がハチの針をほぼ通さないため悠々と食べるのに対して、後から来たクマはハチに刺されて痛みか痒みに耐えながら必死に食べています。
しかしクマは大食いな分、頑張って全部食べてしまったようで翌日残りを食べに来たハチクマが「???」となっています。
両方スズメバチの天敵で毒も効かない同士ではありますがその姿は対照的。しかしよく見比べてみるとクマは大量のスズメバチに群がられて襲われてるのに対してハチクマを攻撃する数がかなり少ないんです。
ハチクマがハチに襲われない理由
クマも毛が丈夫で有名ですがハチクマの羽根はそれ以上に分厚くて毒針が身体に届かないので平気と言われていますがそれが全てではないようです。
どうやらハチクマも羽毛があるとはいえ完全ガードできるわけではないので羽根が生え揃ってない若い鳥や羽根の隙間から刺されれば痛さで退散することもあります。しかしそれでも延々と巣を襲っているとそのうちハチが襲ってこなくなります。
その理由は諸説ありますが「ハチの嫌がるフェロモンを出す」が最有力。2015年に日本鳥学会で発表された研究によると正確には「糸状微粒子」という羽根にびっしりついた粒子がハチを不活性化させる効果があると発表されて今も研究が進んでいるそうです。なんでも他のタカにはない粒子だとか。
しかしそのフェロモンも強力ではなく、「ツマアカスズメバチ」「オオミツバチ」など凶暴なハチは容赦なく襲ってくるのでそういった強敵にはハチクマも対策として集団で巣を襲っています。
またオオミツバチは日本のミツバチの倍くらいある巨体で敵相手には1km以上追撃するしつこさや、羽根を貫通するほどの長い毒針を持っていて、ハチクマでも結構逃げてしまうようです。
ハチが黒い物を襲うのはクマが原因?
ハチといえば黒い物を襲うことで有名ですが、その理由はハチの巣を襲うクマが黒いからという説があります。
クマは蜂の巣に居るもの全部をエサとして襲うので一番の天敵ともいわれています。ハチは昆虫ではかなり強い部類ですが栄養が豊富なせいで意外と天敵も多く、ハチクマも他のタカと違ってハチを食べることに進化したのはその栄養価の高さのせいかもしれません。
また我々人間もハチを食べるため、「ハチを食べる東洋人の髪が黒いから黒を襲うようになった」なんて説もありました。
余談ですが、ハチクマは個体数が減少し絶滅危惧種のカテゴリに。今のところは低懸念扱いで現状の環境保全なら当分は絶滅の危険性はないという扱いのようです。
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