医学も驚く!世にも珍しいアレルギーの世界

人体

私たちが「アレルギー」と聞いて思い浮かべるのは、花粉や卵、そばといった一般的なものかもしれません。しかし世界には、水や光、汗といった“当たり前の存在”にすら体が過剰に反応してしまう、信じがたいアレルギーが存在しています。医学的にも非常に稀なそれらの症状に苦しむ人々の実例をもとに、その過酷な日常と発症の背景を見ていきましょう。

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水に触れるだけで皮膚が焼けるように痛む、そんなアレルギーが実在することをご存知でしょうか。「アクアジェニック蕁麻疹」と呼ばれるこの症状は、極めてまれで、全世界でも報告されている症例は50件にも満たないとされていて、現状世界一珍しいアレルギーと言われています。

カリフォルニア在住のテッサ・ハンセン=スミスさんは、8歳の頃からこの症状に悩まされてきました。シャワーを浴びただけで頭皮がただれ、時には出血することさえあります。触れた水の温度や種類にかかわらず、皮膚に激しいかゆみや刺すような痛みをもたらすのです。驚くべきことに、飲み水でさえ喉や体に灼熱感を感じることがあると彼女は語っています。そのため、彼女は牛乳やスポーツドリンクのような他の飲料に頼る生活を余儀なくされました。

あらゆる水分が危険になる症状

症状は想像を絶するほど過酷で、手洗いや入浴、さらには涙や汗までもがアレルゲンとなり得ます。中には体がショック状態に陥ることもあり、症状発現後は数十分間ベッドに横たわって動けなくなるといいます。雨の日や湿気の高い環境では外出すら困難になるため、生活範囲や人間関係にも深刻な制限がかかります。

医療現場でも診断が困難なこの疾患は、皮膚に水を20分ほど当てる「ウォーターチャレンジテスト」により確認されるケースが多く、現在は抗ヒスタミン薬の服用や遮蔽クリームの使用、光線治療などの対症療法が中心です。完治が難しいこの病と向き合いながら、テッサさんはSNSなどで症状を発信し、同じような悩みを持つ人々への支援と社会の理解を広げる活動を続けています。

私たちにとって身近な存在である太陽の光が、ある人にとっては命の危険すら伴うアレルゲンになることもあります。「光線過敏症」、いわゆる太陽アレルギーは、紫外線に反応して皮膚にかゆみや腫れ、さらには発熱や吐き気といった全身症状を引き起こす厄介な疾患です。日光アレルギーと思われがちですが、日光アレルギー自体は実は世界でも数万から10万人と実は発症しやすいアレルギーで光線過敏症はその中のレアな症例の一つとなっているようです。

この子は骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)のサバンナ・フルカーソンさん。サバンナの症状の原因が分からず、医師からは湿疹と診断されていました。しかしロサンゼルスの小児病院暗闇が症状に気づき日光アレルギーと判明。EPPは75000人に一人といわれるかなり珍しい症例です。

自分の世界といってしまう辛い体質ですが「私よりひどい状況の人もいるから、考えないようにしている」と言い、このアレルギーと付き合っていく覚悟を持っています。現在は短時間、太陽の光を浴びることを許可する薬物試験に参加して同じアレルギーに苦しむ人のために頑張っているそうです。

皮膚が荒れるだけじゃなく体内からも苦痛が出てくる症状

症状は日光を数分浴びただけで出ることもあり、強いかゆみとともに発疹が現れます。特に注意が必要なのが、薬剤によって感受性が高まる「光接触皮膚炎」です。湿布薬や抗生物質、香料などを使用した後に日光を浴びると、通常よりも激しい炎症が起きることがあります。

ある女性は、通勤の際に日差しを数分浴びただけで顔が赤く腫れ、数時間後には全身の倦怠感と頭痛に襲われたといいます。診断されるまでは原因がわからず、日光を避ける生活へと一変。遮光カーテンで覆った室内での生活や、UVカットの衣服を常時着用する必要が出てきました。

この症状もまた、明確な治療法は確立されておらず、日常生活のなかでいかに“太陽を避けるか”が重要となります。しかし、それは決して簡単なことではありません。友人との外出やスポーツ、旅行などの機会が制限される中で、患者は精神的な負担とも闘い続けなければならないのです。

このように、私たちが普段当たり前に受け入れている自然現象や日用品が、時として命に関わるアレルゲンとなることがあります。珍しいアレルギー症状を持つ人々がどれほど困難な生活を送っているかを知ることで、社会全体がより寛容で理解ある姿勢を持つことが求められます。

アレルギーは誰もがかかる可能性のある身近な症状ですが、実は芸能界やスポーツ界の第一線で活躍する有名人の中にも、一般には知られていない“珍しいアレルギー”に悩まされている人たちがいます。

有名なのはテニス界の伝説ジョコビッチ選手がグルテンアレルギー。食事が大事なアスリートで食べ物アレルギーというのはかなり過酷ですが、グルテンフリー食に変えてからも成績があがり今の地位を築いています。

日本では狩野英孝さんのアレルギー数がとんでもない数で界隈では有名なようです。

● 狩野英孝さんのギネス級アレルギー数

狩野さんのケースは、非常に多くの物質に対してアレルギー反応を示す“全方位型”アレルギー体質として非常に珍しい例です。

項目内容
アレルギー総数食品だけで60〜100種以上、全体で100種以上
数値(IgE)約11,160(通常人のおよそ65倍)
反応対象米・小麦・大豆・ナッツ・果物・甲殻類など花粉(スギ・ヒノキ・キク科など)犬・猫・鳩のフケ・糞、ニッケル、小銭、汗、ゴム、アロエ
生活への影響食べられるものは肉・魚中心外出時の注意、保湿必須

通常の人のアレルギー数値(IgE総量)は150〜200程度だとされますが、狩野さんは11,160。これは約65倍という非常に高い数値で、「学校で普通に生活できる数値ではない」と自認されています

🌾 具体的に反応するアレルゲン

  • 食品(60種類以上)
    主な食品として、小麦・米・大豆・ナッツ・甲殻類(エビ・カニ)・果物類(リンゴ、桃、さくらんぼ、スイカ、トマトなど)といった日常的なものが含まれます
  • 食品以外のアレルゲン
    植物の花粉:スギ・ヒノキ・ハンノキ・キク科など複数の花粉に反応。
  • 動物関連:犬・猫のフケや毛、鳩(鳩の糞)などにもアレルギー反応を示すとされています。
  • 金属アレルギー:特に小銭に含まれるニッケルに反応。小銭を触ると手が猛烈にかゆくなるため、コンビニでの小銭交換も困難だったエピソードがあります
  • その他の反応
    汗アレルギー(自身の汗にも反応):汗をかいた後、放置すると激しいかゆみや皮膚刺激が現れると語られています

その他の物質として、アロエやゴムなどにもアレルギー反応があるとの非公式報道もありました

🧾 生活への影響と対策

  • 日常生活の制約:主食や果物、野菜、お菓子などを避ける必要があるため、「何を食べているのか?」という質問には「肉と魚」と答えるほどです
  • 外出時の工夫:医師指導により、マンホールの上を通らないようにしているそうです。これは下水道由来のアレルゲン(虫やゴキブリ、湿気など)による反応を避けるためとのこと
  • スキンケアの徹底:頭皮や肌が非常に敏感で、かゆみや抜け毛にもつながるため、保湿クリームなどを欠かせないと語っています

珍しいアレルギー持ちの有名人

●マイリー・サイラス:シナモンにまさかの“皮膚炎”

代表作:ドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』、歌手『Party in the USA』など
マイリー・サイラスさんは香辛料のシナモンにアレルギー反応を起こすことが知られています。キャンドルや香りだけでも接触皮膚炎や炎症を引き起こし、日常生活での注意が必要になる珍しいケースです 。

●エヴァ・ロンゴリア:香水成分への“香料アレルギー”

代表作:ドラマ『デスパレートな妻たち』
エヴァ・ロンゴリアさんは、香水の香料にアレルギー反応を示すことで知られ、自身のブランド立ち上げの一因ともされます。香りに触れるだけでくしゃみや目のかゆみが起こるため、周囲に配慮を求める必要があります 。

●ゼンデイヤ:抗生物質で“薬剤性皮膚反応”

代表作:映画『スパイダーマン』シリーズ
ゼンデイヤさんは抗生物質(処方薬)にアレルギーを示し、皮疹や蕁麻疹のような反応で病院へ搬送されたこともあります。適切な見分けと迅速な対処の重要性が示された事例です

●柄本時生:アニサキスだけに反応!奇妙なアレルギー検査結果が話題に

日本の俳優・柄本時生さん(『いだてん』『悪人』など)は、2025年5月、自身のInstagramにてアレルギー検査の結果を公開しました。驚くべきことに、数十項目に及ぶアレルゲンの中で反応が出たのは「アニサキス」だけ。それも、最も重度を示すクラス5。

医師からも「これは珍しい」と言われたと明かし、「魚は食べているけど何も起きてないし…」と混乱気味な投稿が話題を呼びました。アニサキスは魚介類に寄生する線虫で、生で摂取するとアレルギー反応や胃腸症状を引き起こすことがありますが、加熱済みのものには反応しないケースも多く、その特異性から「アニサキスアレルギー」は注目を集めています。

この投稿はファンからの多くのコメントを呼び、「私も似たようなことがある」との声も寄せられました。

有名人アレルギー内容推定患者数(世界)備考
柄本時生アニサキスアレルギー極めて稀(<0.01%)数百〜数千人程度の報告例
ジャック・ファウラーナッツアレルギー約2%(成人)アメリカで急増中、重篤例多い
マイリー・サイラスシナモンアレルギーごく稀(<0.1%)研究文献では数例のみ報告
エヴァ・ロンゴリア香料アレルギー(香水)約1〜5%多くは接触性皮膚炎型
ゼンデイヤ抗生物質アレルギー(ペニシリンなど)ペニシリン:10%報告、実質は1%未満医療現場では重要視される
ピート・シュウ(NFL候補)セリアック病(グルテンアレルギー)約1%世界で増加傾向
竹村幸(元競泳選手)運動誘発性小麦アレルギーごく稀(運動誘発性食物アレルギー全体で0.05〜0.1%未満)

精液アレルギー(Seminal plasma hypersensitivity:SPH)
女性のごく少数で、性交前後に重篤なアレルギー反応を起こす疾患です。1967年に初めて報告され、当初は 世界で100名未満の症例とされましたが、最近の研究では性交後症状を抱える女性の中で最大 12%がこの症状を持つ可能性があるとされるものの、実際の診断例は非常に少数にとどまります

α‑ガル症候群(Alpha‑gal syndrome:赤肉アレルギー)
ダニやマダニなどの咬傷がきっかけとなる、ママリアンミート(牛肉や豚肉など)特有の糖鎖 α‑ガルに対するアレルギーです。2009年には数十例だった報告数が、現在はアメリカだけで 45万人超にまで急激に増えており、世界的にもシビアな注目を集めています 。

ただし発症率は地域依存で、他地域では依然極稀な症例のままです。

オニオン/ガーリックアレルギー(玉ねぎ・にんにくアレルギー)
非常に稀な食物アレルギーの一種で、研究文献上でも数例程度しか報告されていません。摂取した場合に重度のアナフィラキシー症状を引き起こすケースもあるため、注意が必要です

コウニス症候群(Kounis syndrome:アレルギー性急性冠症候群)
アレルギー反応が原因で心臓の血管が痙攣し、心筋梗塞様の症状を引き起こす症候群です。2017年時点で報告された患者は 男性130名、女性45名という非常に少ない報告数で、一般には見落とされやすい疾患とされています 。

ハイパーIgE症候群(Hyper‑IgE syndrome=Job’s syndrome)
免疫疾患の一種で、IgE(アレルギー抗体)が異常に高い値を示し、皮膚炎や肺感染を繰り返す稀少疾患です。文献上で約300例程度が報告されており、こちらも非常に珍しい状態とされています 。

スニッツラー症候群(Schnitzler syndrome)
中年以降に発症する自己炎症疾患で、慢性の蕁麻疹・発熱・骨痛が特徴。2024年時点での報告例は 約748症例に留まります

まとめ

アレルギーは理解が増えてきていますがなじみのない珍しいアレルギーだと周囲は「そんなのは無い。好き嫌いだ」などと言う人もいます。しかし今やあらゆるアレルギーが発見されてきていますのでそういった人への理解も進んでいくことで症状に気づかない人も早期発見できるようになるのでそういう時代になることを願います。

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