馬の蹄鉄を作って馬に合うように付ける装蹄師(そうていし)による馬の蹄を削る削蹄(さくてい)動画。
後ろに立つのは命の危険があると言われるほど脚力を持ってる馬。その後ろ足を太ももで挟んで押さえつけてカマとヤスリで蹄をどんどん削っていきます。
荒っぽく見えますが早くしないと片足持ち上げられた馬が疲れたり機嫌が悪くなると命の危険があるからスピード勝負なんだそうでかなりの体力勝負。新人が仕事を初めて一日で辞めることも少なくないというハードさです。
1:40過ぎにニッパーで蹄を切っているところで馬が疲れ始めて動こうとしたらマッチョな職人が簡単に引っ張られてしまっています。こういう場面をみると力だけでなく馬との信頼関係も無いとそのまま暴れて最悪命の危機になってしまうかもしれなさそうです。
この動画のように装蹄師の親方さんに甘えてシャツを甘噛みするくらいの信頼関係を日頃から作れるのもいい装蹄師の条件なんでしょう。
そして馬の後ろ脚に蹴られるから後ろに立つのは危険というのは一般側の常識ですが、実は前脚のほうが蹄のトラブルが起きやすいために調整が難しく、親方に認められるまでは後ろ足しかできないそうです。
装蹄師は高給取り?有名人で1000万レベル!?
「きつい、汚い、危険」といわゆる3K仕事ともいわれる装蹄師ですがその分給料はどうなっているのでしょうか。
調べたらJRA装蹄師の平均年収「882万円」とかなりの高給でした(※日本中央競馬会の年収を詳しく解説)。
ディープインパクトの装蹄も努めたカリスマ装蹄師と言われる西内荘氏は1500万円ぐらいだそうです。他にも調べるとJRA開業装蹄師の元に弟子入りすると月収13万円や、新人装蹄師は200万円とありました。
装蹄師は馬一頭で一律金額が決まっているそうで、その値段も2万円や4万円、三千円など様々な金額が出ていましたがこれを一日2、30頭とやるそうです。しかしそもそも競走馬は腕のいい装蹄師に頼みたいので新人に回ってくる仕事は多くないんでしょう。競走馬以外だと乗馬クラブやアクティビティー系の馬なども装蹄師がやっています。
では独立したらどうなるのか?
指導員の資格を撮って親方になって弟子を数人つけると数千万円と噂されていました。
しかし独立して一人前になるのに15年といわれている世界。さらにいい馬を沢山任せてもらえるほどの腕前になるのはさらに厳しそうです。
装蹄師になるためには
https://horse.0star.net/horseshoeing.html
今、装蹄師になろうとしたら、どんなルートがあるのだろう。「現在では、宇都宮に日本装蹄師会装蹄教育センターがあり、そこで1年間講習を受けるんです。そうすると、2級認定装蹄師試験の受験資格が得られます。合格後、5年経験を積んだら1級認定装蹄師試験の受験資格です。まだまだ終わりではありません。1級合格後10年後に、指導級認定装蹄師試験、まあ、装蹄師では一番上のクラスですが、これを受験できるようになります」
高給取りである親方になるためには1級合格してから10年後にとれる指導員の資格をとらないといけないので楽な道のりではありませんね。
毎年定員割れで人手不足に悩む装蹄師
装蹄師の人数は全国で500名ほど。日本装削蹄協会の令和2年の募集要項をみると定員が16名。かなり狭き門でもあります。しかし実はそれでも定員割れが毎年続いていて、全国の馬の数から見て毎年11名ほどが装蹄師にならないと厳しいそうです。
そのために教育センターの授業料と講習費で200万円だったのが2018年から下げ初めて今は126万、さらに寮費で月3万からで合計しても160万円ほどまで値下げしているようですが……
一次試験が筆記、二次試験に面接に加えて体力試験もあって体力が必要なのはもちろん、さらに馬の脚や体、ストレスによるトラブルに対処するために馬学や理学療法を勉強する文武両道を求められるのもあり敷居は相当高い仕事に見えてきました。そして徒弟制度も強い世界で弟子として親方について技術を教えてもらう職人側の世界でもあるので若い人にとって敬遠したくなる要素ばかりなのが厳しいんでしょうね。
しかし馬が好きで、でも体格的にジョッキーにはなれないという人が調教師や装蹄師になったという話もあるので馬好きでふれあいたいという人には最適な仕事だと思います。
■参考
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