スキージャンプ飛距離の最長記録競技「スキーフライング」の世界記録は2017年にオーストリアのステファン・クラフトが記録した253.5mでした。それを2024年4月24日に日本の小林陵侑（りょうゆう）選手が291ｍを飛び37.5ｍも更新しました。
しかしレッドブルが雪山に作った独自のジャンプ台（フライングヒル）を使用したので「特設台が正式な認定を受けていない」として国際スキー・スノーボード連盟は世界記録とは認めていません。
しかしこうして動画にも残って正確に測定しているので動画を見た人は最長記録を越えた小林選手を称賛しています。
そもそも300ｍクラスを飛ぶことを前提としたジャンプ台が世界に存在しません。ジャンプは着地の瞬間に傾斜が無いと命に関わるほど危険。世界最大のヴィケルスンジャンプ競技場でも距離が足りないと見たレッドブルがアイスランドの雪山で数ヶ月かけて作ったもの。
こちらはクラフト選手が253.5ｍを記録したヴィケルスンジャンプ場。着地前に引かれたK点のラインから見てもここから40ｍも遠くまで安全に飛べる傾斜は難しそうです。
レッドブルが作った特設台は標高1,115ｍから飛び、高低差は360ｍ。東京タワー（333ｍ）や日本一高いビルの麻布台ヒルズ（330ｍ）よりも高いところから飛んでいます。そのフライト時間は8秒。ちょっとした鳥です。
小林選手は北京オリンピックでも金銀メダルを取った現役でも世界最上位に入るスキージャンプ選手。さらに前のクラフト選手の公式記録に肉薄した252ｍという記録も持っていたので大記録を成功させるなら彼しかいないという人選だったのでしょう。
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