離陸直前のボーイング757のエンジンに鳥が巻き込まれるバードストライクを起こした事故。即座に着陸し事なきを得ました。ジャンボジェットはこういう不慮の事故の対策で片方のエンジンが残っていれば飛べるよう設計されています。
しかしこういったバードストライクはアメリカだけでも年間17,000件発生してさらに毎年増加傾向のようです。今回はそういったバードストライクに関する動画を集めてみました。
■客席の窓から鳥がエンジンに入る瞬間を映す。0:39から。1:35からスローリプレイ。
※埋込出来ないのでタップしてyoutubeで閲覧お願いします。
入った瞬間パイロットがブレーキを踏んで緊急停止したようです。カメラを落としたのはその衝撃のため。鳥は飛行機と同じ方向に飛んでましたが速さが違いすぎてそのまま入ってしまったようです。
■エンジンのカバーに当たる0:20から
政府専用機ボーイング747-400のバードストライク。プロペラではなく周りのフチに当たったようで弾け飛んでいます。
■着陸前の操縦席の窓に当たる鳥。血注意。0:12から
■ウィングレットに当たる。0:17から。
■セスナの窓ガラスが破壊。0:06から。
■エンジン発火で緊急着陸
2023年4月にアメリカン航空でおきたバードストライクによる事故。すぐさま引き返して着陸したそうです。
バードストライク対策は?
対策としてエンジンにメッシュなどのカバーをつければいいのにという声をちらほら見かけたので調べてみたら以下のようなことがわかりました。
- 冷却の必要性: エンジンは非常に高温になるため、十分な冷却が必要です。カバーをつけると空気の流れが妨げられ、エンジンの冷却が不十分になる可能性があります。エンジンの冷却は安全な運行のために不可欠です。
- 空気の取り入れ: エンジンは効率的に動作するために大量の空気を必要とします。カバーがあると、この空気の取り入れが制限され、エンジンの性能が低下する可能性があります。
- 耐久性のある設計: 現代のエンジンは、バードストライクを考慮して設計されています。エンジンブレードやファンブレードは高い耐久性を持ち、鳥が衝突しても破損しにくい構造になっています。またエンジンのプロペラを鋭くして細かく切り刻むことで内部の損傷を避ける構造にしています。
- 空港周辺のバードパトロール方式: 空港では鳥の飛行を防ぐための対策が講じられています。巡回し銃器(実砲、空砲)、鳥類駆逐用煙火、ディストレスコール・スピーカー(鳥が天敵に捕まった時に発する悲鳴)等の機器を組み合わせて防除する方式や、鳥の生息地を管理する方法があります。
- 被害の悪化:メッシュなどカバーをつけても高速での衝突でカバーが破損してエンジンコアに入り込んだ場合、さらに重大な損傷の原因になる可能性が高い可能性があります。
燃費が悪くなるのとカバーの損傷によるエンジン破損の危険性があるためつけられないようです。現在は耐久性やプロペラの設計の向上で対策してるようです。
しかし内部の対策としても空港周辺の監視としても結局毎日のようにバードストライクは発生しているのであまり確実性のあるものではないようです。
日本でも年間1,000件のバードストライクが発生しており年々増加傾向にあるそうです。
しかしバードストライクによる重大な事故はそれほど起きてないようです。
バードストライク事故が映画化
こちら2009年におきた重大なバードストライク事故「USエアウェイズ1549便不時着水事故」の解説。別名「ハドソン川の奇跡」と呼ばれています。
旅客機は通常片方のエンジンが生きていれば飛行可能ですがこれは両エンジンともにバードストライクによって損傷してしまうという超レアケースで起きてしまった事故。
離陸から着水までたった5分の出来事ですが搭乗していたパイロットたちやたまたま付近にいた観光ヘリ、沿岸警備隊など様々な人たちの素早い判断や救助活動などがあって重傷5名いましたが全員命は無事という奇跡の事故でした。
「ハドソン川の奇跡」というタイトルで映画化もされています。
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