“マヌルネコのうた”で大ブームの立役者ポリー。静かなる別れとその軌跡

動物

🌟ポリーの旅立ち:2025年5月23日

マヌルネコのうたで大ブームの火付け役となった那須どうぶつ王国のポリー(メス)が、2025年5月23日に亡くなりました。

2015年5月15日生まれで2016年にスウェーデンから那須どうぶつ王国に来て10歳の誕生日を迎えたばかりでした。3月頃から呼吸の違和感が見られ、健康診断の結果、喉頭に腫瘤が確認されました。治療と定期的な健康診断を続け、一時は呼吸状態が安定していましたが、前日も餌を完食していたにもかかわらず、翌朝に死亡が確認されました。

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ポリーが全国的に知られるきっかけとなったのは、2021年4月に公開された「マヌルネコのうた」です。このミュージックビデオは、ポリーとオスのボルの個性的な表情や動きをコミカルなラップに乗せて紹介し、多くの視聴者の心をつかみました。動画はSNSで拡散され、再生回数は400万回に迫る勢いとなり、マヌルネコの人気が急上昇しました。

この動画は、2021年のACC TOKYO CREATIVITY AWARDSでシルバーを受賞し、そのクリエイティブ性も高く評価されました。

📈ポリーが火をつけた“マヌルネコブーム”の軌跡

🔸2021年4月:「マヌルネコのうた」公開で一躍有名に

那須どうぶつ王国が公式YouTubeで公開した「マヌルネコのうた」は、ポリーとボルをモデルにしたコミカルなラップ調のミュージックビデオ。

再生回数は400万回に迫り、TwitterやInstagramなどのSNSで一気に拡散。

「ブサかわいい」「表情が人間みたい」など、多くのコメントとともにシェアされた。

動画はその年のACC TOKYO CREATIVITY AWARDSで銀賞を受賞し、広告・動画業界からも高く評価された。

🔸2022年:「マヌルネコグッズ」の販売拡大

フェリシモなどの通販ブランドがポリーをモチーフにしたマヌルネコグッズを次々に発売。

「マヌルネコポーチ」「マヌルネコTシャツ」「目つきの悪いぬいぐるみ」などが人気商品に。

SNS上で「マヌルネコ買った」「この顔たまらん」といった投稿が急増。

🔸2023年:動物園や水族館で「マヌルネコ展示」が拡大

那須どうぶつ王国に限らず、神戸どうぶつ王国、東山動植物園など他の施設でもマヌルネコが展示され、訪問客が増加。

特に「ポリーの子孫」や「孫」に会える施設では“聖地巡礼”のような人気ぶりに。

🔸2024年:マヌルネコが「人気動物ランキング」で常連に

多くの動物園アンケートや子ども向け図鑑で「好きな動物ランキング」に登場。

その愛嬌ある見た目と希少性が、教育番組や書籍でも取り上げられる。

🔸2025年4月:「大阪・関西万博」に登場

フェリシモがプロデュースしたブース「felissimore(フェリシモっと)」で、マヌルネコをテーマにした展示が登場。

会場での展示パネルやグッズにはポリーの写真や情報も含まれ、SNSで再び注目。

総いいね数100万超を記録するなど、マヌルネコ人気が再燃。

🔸2025年5月:ポリーの訃報と惜別の声

5月23日、ポリーが亡くなったことが那須どうぶつ王国から発表され、SNSには「今までありがとう」「天国でも元気にね」といった感謝と哀悼の声が多数寄せられる。

改めて「マヌルネコのうた」を見返すファンも多く、再生数が再び伸びる現象が発生。

🐾母としてのポリー:2019年の出産と子育て

2019年4月、ポリーはオスのボルとの間に8頭の赤ちゃんを出産しました。スタッフも24時間体制でサポートしましたが、6頭が感染症で亡くなってしまいました。

このとき、体調がよくない中で必死に子育てをしていたポリーの姿は、今も忘れられません。無事に成長した2頭は「エル」と「アズ」と名付けられ、それぞれ神戸どうぶつ王国と東山動物園で元気に暮らしています

新たな仲間ナゴムが2025年5月に公開

那須どうぶつ王国では、ポリーの孫にあたる「ナゴム」が新たに仲間入りし、マヌルネコの魅力を伝え続けています。

ポリーの存在は、多くの人々にマヌルネコの魅力と保全の重要性を伝えました。彼女の遺した影響は、これからも多くの人々の心に残り続けることでしょう。

主な動物園のマヌルネコの数

動物園飼育頭数
那須どうぶつ王国3頭
旭山動物園1頭
埼玉こども動物自然公園3頭
上野動物園5頭
東山動植物園2頭
王子動物園1頭
神戸どうぶつ王国1頭
項目内容
🔹学名と分類
学名Otocolobus manul
英名Pallas’s cat(パラスキャット)
分類ネコ科マヌルネコ属に属する唯一の種
起源約500万年前からほとんど姿を変えていない「現存する最古のネコ」
🔹分布と生息地
分布地域モンゴル、イラン、ロシア南部、チベットなど中央アジア
生息環境標高3000~5000mの寒冷・乾燥地帯(岩場や草原)
🔹特徴
外見丸く平たい顔、前足が短く、足が太い
側面に付き、捕食者から身を隠しやすい
被毛密で厚く、ふっくらとした外見(実際は小柄)
🔹行動と習性
行動様式単独行動・完全な夜行性
昼の過ごし方巣穴や岩陰で休む
移動ドタドタした独特な歩き方(SNSで人気)
🔹食性
主な獲物ピカ、ハタネズミなどの小動物
狩りのスタイル待ち伏せ型ハンター、素早く飛びかかる
🔹寿命と繁殖
寿命野生で10年未満、飼育下で10~12年程度
繁殖時期春(3〜5月)
出産妊娠約60日、2~6頭の子を出産
子育て母親が単独で行う
🔹天敵と脅威
主な脅威生息地の開発、毛皮目的の狩猟、家畜由来の感染症
感染リスクパルボウイルスなどに弱く、飼育下では特に注意が必要
保全状況IUCNレッドリストで「準絶滅危惧種(Near Threatened)」

🌍マヌルネコの魅力と保全の重要性

マヌルネコは、中央アジアの高地に生息する希少種で、世界最古の野生のネコといわれています。その個性的な風貌や動きから人気を集めていますが、毛皮目当ての乱獲や生息エリアの開発により、一時は準絶滅危惧種になりました。感染症に弱いため、飼育下での繁殖は難しいとされています。

「マヌルネコのうた」の最後には、「マヌルネコは絶滅の危険性が高い野生動物です。さわったり、おうちで飼うことはできません。眺めて愛でましょう。」というメッセージが流れ、保全の重要性を訴えています。

このように、マヌルネコはその独特の進化をたどった希少な存在であり、その可愛さの裏に生態的に非常に繊細な一面を持っています。

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