地球がビー玉に!?宇宙一高密度な星「マグネター」がヤバい

サイエンス

もし、私たちが暮らすこの地球を、限界までギューギューに押し潰したらどうなると思いますか?

実は宇宙には、「地球丸ごと1個を、直径わずか2センチメートルのビー玉サイズ」にまで凝縮したような、異次元の密度を持つ怪物が実在します。

その名は「マグネター」。

ブラックホール級にヤバいと言われ、近づくだけで世界が物理的に崩壊する、宇宙最強の磁石星の恐るべき正体に迫ります!

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スプーン1杯で10億トン!原子の隙間が潰れた「超密度」の正体

マグネターとは、太陽の数倍以上の質量を持つ超巨大な星が寿命を迎え、大爆発(超新星爆発)を起こした後に残る「中性子星」という天体の一種です。質量は太陽ほどもあるのに、直径はわずか20キロメートル(山手線の内側がすっぽり収まるくらい)しかありません。

この星の最大の特徴は、物質の詰まり具合、つまり「密度」が異常なまでに高いことです。

私たちの身の回りにある物質(原子)は、中心にある原子核のまわりを電子が飛び回る構造をしていますが、実はその中身はスカスカの隙間だらけ。しかし、マグネターはその隙間が猛烈な重力によって完全に押し潰され、中性子という粒子だけでギチギチに満たされています。

冒頭の「地球がビー玉サイズになる」というのは、まさにマグネターと同じ密度まで地球の隙間をすべて押し潰したとしたら……という例え話です。

どれくらい重いかというと、マグネターの地面を角砂糖1個分(スプーン1杯分)だけすくったとしても、その重さは約10億トン。これは地球上の巨大な山が丸ごと一つ分、あるいは何十万台もの超大型タンカーをスプーン1杯に凝縮した重さなのです。

寿命はたったの1万年。江戸時代生まれの「赤ちゃんマグネター」

これほど凄まじいパワーを持つマグネターですが、実は驚くほど「短命」な星でもあります。

一般的な星が数十億年〜数百億年と生き続けるのに対し、マグネターがその象徴である「超強力な磁場」を保っていられる期間は、わずか1万年程度とされています。強力すぎるエネルギーを凄まじい勢いで放出してしまうため、宇宙の138億年という壮大な歴史から見れば、ほんの一瞬だけ激しく輝いて静かに息を引き取る、超レアな「幻の天体」なのです。

そんな幻の星ですが、近年の宇宙観測によって世界中の天文学者が沸き立つ大発見がありました。

2020年、天文学者たちが「Swift J1818.0-1607」という新しいマグネターを発見。データを解析した結果、なんとこの星は「わずか240歳」であることが判明したのです。

240年前といえば、日本でいうと江戸時代の後半(松平定信による寛政の改革のころ)。人間にとっては大昔の歴史ですが、宇宙のスケールで見れば「たった今生まれたばかりの超ピチピチな赤ん坊」です。現在までに宇宙全体で数千個以上見つかっている中性子星の中でも、観測史上最も若いマグネターとして今も研究が続けられています。

【恐怖】もし地球が近づいたら?ビー玉どころか「即チリ」になる3つの段階

マグネターは超高密度なだけでなく、病院のMRI検査で使う磁石の100億倍以上、一般的な中性子星の1001000倍という「宇宙最強の磁場(数百兆ガウス)」をまとっています。

もし地球がリアルにマグネターへと近づいていったら、縮むどころか、次の3つの段階を経て跡形もなく粉々に破壊されてしまいます。

段階①:月の距離(約38万km)で「世界中の全データが消滅」

まだ遥か遠く、月と同じくらいの距離まで近づいた時点で、マグネターの放つ目に見えない超強力な磁場が地球を包み込みます。この瞬間、磁気によって世界中のスマホ、パソコン、クレジットカード、銀行のサーバーデータがすべて一瞬でデリートされ、文明の利器は完全に沈黙します。

段階②:さらに近づくと、人間の体が「原子レベルで針状に崩壊」

さらに接近すると、強力な磁場が私たちの体を構成する「原子」そのものに影響を及ぼし始めます。本来なら丸い形をしている原子が、磁力によってびよーんと引き伸ばされ、「鉛筆や針のような細長い形」に変形させられてしまうのです。これによって物質としての結合(化学結合)を保てなくなり、人間を含むすべての生命体は、一瞬にしてチリ(原子の霧)へと分解されてしまいます。

段階③:最後は地球ごと引き裂かれ、表面へ吸収されて終わり

最終的には、強力な磁場だけでなく、ブラックホールにも匹敵する凄まじい重力(潮汐力)が地球を襲います。手前側と奥側でかかる重力の差があまりにも大きいため、地球そのものが縦長に引き伸ばされ、耐えきれなくなって破裂。粉々になった地球の破片は、マグネターの表面へと勢いよく吸い込まれ、ペタッと吸収されて完全に消滅します。

宇宙一の危険地帯。見つけても絶対に近づくな!

マグネターは、近づくだけでクレジットカードのデータを消し去り、人間の体を原子レベルで針状に引き裂き、地球ごと飲み込んでしまう、宇宙で最も近づいてはいけない怪物です。

近年では、理化学研究所などの国際共同研究グループが、世界で初めてマグネターからの「X線偏光」の観測に成功するなど、その謎に満ちた生態が少しずつ解き明かされています。

もし将来、テクノロジーが進化して手軽に宇宙旅行ができる時代が来ても、この「宇宙最強の磁石星」だけは、何光年も離れた安全な場所から天体望遠鏡で眺めるだけにしておきましょうね!

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