世界的なニュースになった油流出事故で日本のある物が大活躍?

サイエンス

2020年7月にインド洋モーリシャス沖で起きた「わかしお座礁石油流出事故(wiki)
1000tの重油が流出した事件で覚えている人も多いかもしれません。

モーリシャス沖は1700種の生物の生息地とされていて環境保護対象だった場所の近くだったこともあり、大量の重油流出によって生態系に甚大な被害が及ぶかもしれないとして実は日本以上に世界中で大きな事故としてニュースに取り上げられていたようです。

この重油の被害で環境団体は「一帯の回復に30年はかかるだろう」と懸念していました。そんな大事故の油除去作業に実は日本の「ベルサイユのわた(エム・テックス)」という商品が大活躍したそうです。

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こんなに凄い「ベルサイユのわた」

image:amazon

商品名からは百均あたりで安売りされてるネタ商品にみえますがその中身はとんでもない技術の塊。

  • 20gで1リットルの油を吸い取る。
  • 油だけを吸い取り水を避ける
  • 吸ったあとの綿から油がいっさい垂れない

これだけで普通のキッチンタオルと次元の違う性能なのがわかります。
お値段的にも家庭で普段使いするにはお高いようですがここぞという時は絶対活躍してくれるので一家に一箱おいておくのもいいかもしれませんね。
ちなみになぜこんな名前にしたのかというと公式ページに以下のように書いてありました。

なぜベルサイユのばら?

ベルわたを使っていただきたい主婦の方々に根強い人気の作品・キャラクターである「ベルサイユのばら」と、ベル採油(さいゆ・あぶらをとる)という思い付きのギャグからコラボできないかと考え、池田理代子プロダクション様にお願いをしたところ、ご許可をいただき、誕生しました。

http://magic-fiber.jp/verwata/

2019年8月の佐賀県豪雨でも大活躍

動画の2:20からある2019年に佐賀県の豪雨で起きた鉄工所油流出事故でもこのベルサイユのわたを提供し大活躍。

5万tの油が2週間で回収されました。基準はわかりませんがとにかく早いのはわかります。動画を見てるとその回収方法もわたを油のある水辺にポイポイと置いてるだけの単純作業。効果も凄いけど油だけを吸って逃さないおかげで労力もグッと下がるのが素晴らしい。除去作業の現場からもその効果の凄さから必要な分だけ欲しいと言われたようです。

5万tというとモーリシャス沖の流出事故の50倍。それが2週間となるとモーリシャス沖の環境被害は別として相当除去作業は早くなったと思われます。そのおかげかモーリシャス沖はその後2020年後半にはビーチや保護区域を訪問出来るようになり、漁業も再開されたようです。

エム・テックスは大きな会社じゃないので大量の無償提供は難しく、クラウドファンディングで寄付を募って提供を行っていました。

モーリシャスに「油吸着材シート」を届けたい 日本企業がクラウドファンディング呼びかけ、支援400万円を突破

またクラファンのサイトで進捗状況も報告もしているようです。

モーリシャス関連の状況について・2021年4月

進捗の中に書いてありますが、マングローブの木は一本一本手作業で油を取らないといけないようなのでそこで活躍しているようです。
マングローブは鳥、魚などの住処になるので一帯の生態系にとって必須といっていいもの。同じく油被害を受けたサンゴ礁とともに必ず再生しないといけないものなのでその役割は重要です。

昔は日本の技術力は世界に誇れるものが多かったですが、現在もこういった分野では世界トップクラスの技術力を持っているのは誇らしく思ってしまいます。

モーリシャスってどんな国?

モーリシャスはアフリカ大陸の東、インド洋に浮かぶ島国である。人口は126.5万人、面積は2,040km²で東京都とほぼ同じ大きさだ。人口の2/3は植民地時代に移住していたインド系の人々で、1/4はフランス系とアフリカ系のクレオールである。周りを白い砂浜と美しい海に囲まれたモーリシャスでは、観光収入がGDPのの約8%を占め、就労者の約1/5は観光関連の業務に就いているなど、観光立国として知られている。

https://www.theheadline.jp/articles/289

国も人も観光で生活していると言っていい国でのこの重油流出事故となるとかなりの国際問題。実際にわかしおの船長(インド国籍)と副船長(スリランカ国籍)は運行に過失があったとして逮捕されました。またこの件でモーリシャス政府の対応に不満があるとして数千人の市民が政権の辞任を求めてデモをおこしています。

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