バンコク(168文字)
タウマタ(85文字)
「世界一長い地名」と聞くと、タイの首都バンコクを思い浮かべる人もいれば、ニュージーランドの「タウマタ」と呼ばれる丘を思い浮かべる人もいるでしょう。
実際、検索するとこの2つの地名が「世界一長い地名」として紹介されていることがあります。
では、本当に世界一長い地名なのはバンコクとタウマタのどちらなのでしょうか?
結論からいうと、現在確認できるギネス世界記録では、「Longest place name(最も長い地名)」の記録を持っているのはタイのバンコクです。
一方、ニュージーランドのタウマタには、85文字にもなる非常に長いマオリ語の地名があります。
この記事では、バンコクとタウマタの長い地名を比較しながら、それぞれの名前の意味や由来、現地ではどう呼ばれているのかまで詳しく紹介します。
世界一長い地名はバンコク?それともタウマタ?
まず、2つの地名を簡単に比較してみましょう。
| 地名 | 国 | 特徴 |
|---|---|---|
| バンコク | タイ | ギネス世界記録の「Longest place name」 |
| タウマタの丘 | ニュージーランド | 85文字にもなる非常に長い地名 |
ギネス世界記録の公式サイトでは、タイの首都バンコクの正式名称が168文字あり、「Longest place name」として掲載されています。
一方、ニュージーランドのホークス・ベイ地方にある丘には、85文字の非常に長いマオリ語の地名があります。ニュージーランド政府観光局も、この地名を「世界で最も長いもののひとつ」と紹介しています。
つまり、
ギネス世界記録の「Longest place name」=バンコク
85文字の非常に長い地名として有名=タウマタ
と考えると分かりやすいでしょう。
バンコクの正式名称はなぜこんなに長い?
タイの首都として知られるバンコクには、非常に長い正式名称があります。
ギネス世界記録によると、学術的なローマ字表記では168文字にもなります。
その名前は、
Krungthepmahanakhonamonrattanakosinmahintharaayuthayamahadilokphopnoppharatratchathaniburiromudomratchaniwetmahasathanamonpimanawatansathitsakkathattiyawitsanukamprasit
です。
日本語では一般的に、
「天使の都、偉大なる都、帝釈天の不壊の宝玉……」
といった意味を持つ、非常に長い詩的な名称として紹介されます。
タイ国政府観光庁も、バンコクの正式名称を168文字と説明しています。
正式名称にはどんな意味がある?
正式名称には、神々や王宮、宝玉などを表す言葉が数多く含まれています。
タイ国政府観光庁による日本語訳では、冒頭が「天使の都」とされ、その後も「偉大な都」「九種の宝玉」「大王宮」など、王都を称える壮大な表現が続きます。
単純に場所を表す名前というよりも、王都の威厳や神聖さを表現した長大な詩文のような名前なのです。
タイ人はバンコクを何と呼んでいる?
ここも、バンコクの正式名称を語るうえで面白いポイントです。
長大な正式名称を毎回すべて口にするのは大変なので、タイでは一般的に**「クルンテープ(Krung Thep)」**と呼ばれています。
タイ国政府観光庁も、タイの人々は通常バンコクを「クルンテープ」と呼ぶと説明しています。
「クルンテープ」は、正式名称の最初の部分にあたり、**「天使の都」**という意味です。
そのため、
- 日本など海外では「バンコク」
- タイでは「クルンテープ」
という呼び方が一般的になっています。
なぜ世界では「バンコク」と呼ばれているの?
タイの首都なのに、正式名称には「バンコク」という言葉が入っていません。
では、なぜ世界ではBangkok(バンコク)という名前が定着したのでしょうか。
「Bangkok」の由来については複数の説がありますが、現在のバンコク周辺で使われていた古い地名が、外国人によって「Bangkok」として伝わり、国際的な呼称として定着したと考えられています。
つまり、
正式名称=クルンテープ・マハナコーン……
国際的な名称=Bangkok
という、少し不思議な状態になっているわけです。
ニュージーランドの「タウマタ」も世界最長級の地名
バンコクに負けないほど有名なのが、ニュージーランド北島のホークス・ベイ地方にある丘です。
この丘は一般に「タウマタ」と呼ばれています。
正式な長い名称は、
Taumata whakatangi hangakoauau o tamatea turi pukakapiki maunga horo nuku pokai whenua kitanatahu
で、ニュージーランド政府観光局によると85文字あります。
日本語にすると、おおむね、
「大きな膝を持ち、山々を滑り、登り、飲み込む男タマテアが、愛する者のために笛を吹いた場所」
という意味になります。
単なる文字の羅列ではなく、一人の人物にまつわる伝説そのものが地名になっているのです。
タウマタの名前に登場する「タマテア」とは?
タウマタの地名に登場する「タマテア」は、マオリの有名な首長・戦士として伝えられている人物です。
ニュージーランド政府観光局の説明によると、タマテアはポランガハウ周辺を旅していた際、別の部族と戦うことになり、その戦いで弟を失いました。
弟を失ったタマテアは深く悲しみ、戦いの場所にしばらく留まります。
そして毎朝、丘に座り、マオリの笛「コアウアウ」を吹いて弟を悼んだとされています。
その伝説が、非常に長い地名として現在まで残っているのです。
タウマタはどんな場所?
タウマタは、ニュージーランド北島のホークス・ベイ地方、ポランガハウの近くにあります。
現在は長い地名が書かれた大きな看板が設置されており、観光客が記念写真を撮るスポットになっています。
ただし、ここで注意したいのが、看板のある場所と実際の丘そのものは同じではないという点です。
ニュージーランド政府観光局によると、実際の丘は私有地にあるため、立ち入るには許可が必要です。
そのため、観光客にとっては、まず長大な地名が書かれた看板の前で写真を撮るのが定番となっています。
バンコクとタウマタ、結局どちらが世界一?
ここまで見ると、
「結局、世界一長い地名はどっちなの?」
と思うかもしれません。
現在確認できるギネス世界記録を基準にするなら、答えはバンコクです。
ギネス世界記録では、バンコクの正式名称を「Longest place name」として掲載しており、学術的なローマ字表記で168文字としています。
一方、タウマタの地名は85文字で、ニュージーランド政府観光局も「世界で最も長いもののひとつ」と紹介しています。
したがって、
「ギネス世界記録の最長地名は?」→ バンコク
「世界最長級の長い地名として有名なのは?」→ タウマタ
と覚えておくと分かりやすいでしょう。
「世界一長い地名」が2つあるように見える理由
この2つが混同されやすい理由の一つが、何を基準に「長い」とするのかです。
バンコクは、正式名称全体が非常に長い地名としてギネスに登録されています。
一方、タウマタは、長大なマオリ語の地名として世界的に知られています。
そのため、インターネットの記事などでは、どちらも「世界一長い地名」と紹介されることがあります。
ただし、「タウマタもギネス世界記録のLongest place nameである」と考えるのは正確ではありません。
ギネス公式の現在の記録ページでは、このタイトルの記録保持者としてバンコクが掲載されています。
世界一長い地名は、実は「雑学の宝庫」
バンコクとタウマタは、どちらも単に「名前が長い」というだけではありません。
バンコクには、王都の威厳や神々を称える壮大な正式名称があります。
一方のタウマタには、弟を失ったタマテアが丘の上で笛を吹いて悲しんだという、マオリの伝承が込められています。
つまり、
バンコク=王都を称える壮大な正式名称
タウマタ=伝説をそのまま残した長大な地名
という違いがあります。
「世界一長い地名」という一見単純な雑学から調べてみると、その土地の歴史や文化まで見えてくるのが面白いところです。
ちなみに日本で1番長い地名は25文字
- 愛知県海部郡飛島村大字飛島新田字竹之郷ヨタレ南ノ割(あいちけん あまぐん とびしまむら おおあざ とびしましんでん あざ たけのごう よたれ みなみのわり)
- 概要:都道府県から字名までを含めた正式な地番表記として、現在日本で最も長い地名・住所とされています。「ヨタレ」は江戸時代に干拓地を開拓した際、イロハ順(イロハニホヘトチリヌルヲワカヨタレ)で割り振られた区画名に由来します。
まとめ
今回は、世界一長い地名としてよく名前が挙がるタイのバンコクとニュージーランドのタウマタを比較しました。
ポイントをまとめると、
- ギネス世界記録の「Longest place name」はバンコク
- バンコクの正式名称は学術的なローマ字表記で168文字
- タイではバンコクを一般的に「クルンテープ」と呼ぶ
- ニュージーランドのタウマタには85文字の非常に長い地名がある
- タウマタの地名は、マオリの伝説に登場するタマテアに由来する
- タウマタの実際の丘は私有地にあり、観光では長い地名が書かれた看板が有名
「世界一長い地名はタウマタ」と覚えている人も多いかもしれません。
しかし、ギネス世界記録の「Longest place name」という基準では、現在の記録保持者はバンコクです。
「バンコクの正式名称って、実はものすごく長いらしいよ」
という話から、さらに「じゃあタウマタは?」と話を広げてみると、ちょっとした雑学としても楽しめるのではないでしょうか。


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